投稿日:2018.06.12
更新日:2024.08.26
最近は工場見学に来られた方々を案内することが増えてきました。 そこで感じることがありまして・・・。
ある程度印刷物について知識を持っておられる方でもご存じでないことがあります。
そこで今回はトムソンについて紹介いたします。
我々紙器業界ではトムソンという言葉が普通に使われています。
特に関西のほうではトムソンといいますね。
(関東ではビク抜きという人も多いです。)
トムソンとは元々は人物のお名前のようでした。
アメリカのトムソンさんという方が設立されたトムソン・マシン社が トムソン型機械を発売しました。
その機械でおこなう型抜き加工を「トムソン抜き(加工)」と呼び、
そして使用する型を「トムソン型」と呼びます。
昔、当社にあった機械にもトムソンって書いてあったような気がします。
トムソン加工とは、打抜き加工とも呼ばれ、 刃を組み込んだ木型を使い、紙やフィルムを型抜きする工程のことを言います。
トムソン木型という言葉はよく耳にされるかと思いますが、 ベニヤ板を重ね貼り合せた厚み15mm程度のものに レーザーで穴をあけてそこに折り用の刃や切り用の刃を埋め込んだものです。
その木型で、直接紙を1シートずつ打ち抜きますが、 打ち抜いた後、木型と紙がくっついてしまって離れません。 そこで刃の周りにゴムやコルクを貼り付け、 ゴムの反発で紙が離れやすいようにしております。
また、平らな面に紙を置いて木型で打ち抜いても折罫を深く入れることができません。
そこで面板という「溝」が必要となります。
認知度は低いですが、この面板がないときれいに仕上がりません。
面板は木型と1セットの大切なパートナーなんです。
その後、「叩き作業」を行います。
トムソンで抜き上がったシートをまとめてハンマーで叩き 不要なところをはずしていきます。
なかなか力強い作業をしておりますよ。
叩きもロットが多ければ機械化していますが、小ロット品では手でやったほうが早いんですね。
ご興味をお持ちの方は担当営業までお問い合わせいただければ、より詳しくご説明させていただきます。