医薬品チームブログ
新記載要領 データ制作

XSLTについて

投稿日:2016.12.26

更新日:2022.08.01


XMLについての記事は久々になってしまいました。 医療用医薬品添付文書の新記載要領に伴い、SGMLデータがXML形式に変更になる事になり、最近はXMLについてのお問い合わせも増えています。今のうちにXMLに関連する基本的な情報については、理解しておきましょう。 今回はXSLTについて概要を解説します。 簡単なXSLTを実行してみて、どのような事が出来るのか実感してみましょう。

XSLTとは

XSLTは、一言で言うとXMLを扱えるコンピューター言語のひとつです。 XMLをHTML等の別のデータ形式に、容易に変換する事が出来ます。 たとえば、本のタイトル、著者、価格等の情報を記述されているXMLがあったとします。これらの情報をどの様に表示するかは、XMLには記載しません。XMLは基本的に情報を保有しているだけだからです。 XSLTは、XMLから情報を取得して、見やすい、使いやすい見た目に整形するのが主な役割です。 XMLから取得した情報を基にHTMLを作成する事が多いです。 今回のサンプルもXMLをHTMLに変換するサンプルになります。

必要なもの

※基本的にwindowsPCで作業する事を前提に説明します。
  • メモ帳
  • インターネットブラウザ
XSLTを実行するのに、特別なものは必要ありません。 なぜならインターネットブラウザがXSLTに対応しているからです。 IEかFireFoxでご確認ください。Chromeも表示は可能ですが、一部設定を変更する必要があるので、ここでは非対象とさせていただきます。

サンプルデータの確認

まずはサンプルファイルをダウンロードしましょう。 zipファイルの中に下記の3ファイルが格納されています。
  • sample_pi.xml(XSLTに変換されるXMLです。)
  • sample_pi.xsl(XMLを変換するXSLTです。XSLTの拡張子は.xslです。)
  • sample_pi.xsd(上記XMLのXMLスキーマです。XSLTの変換には直接必要はありません。)
[download id=”3365″] まずは、メモ帳で「sample_pi.xml」を開いてみましょう。下記の様になっています。



  
  ヨクナール注
  
  2016年12月改訂
  
  本剤の投与にあたっては,本剤の必要性を慎重に検討すること。
  
  ヨクナル硫酸ナトリウムとして、通常成人1回20~50mgを1日1回静脈内又は筋肉内注射する。
  
  全国製薬株式会社

文章の量はかなり少ないですが、医療用医薬品添付文書を意識したXMLのサンプルです。 ポイントは2行目の記載になります。



この1行で「sample_pi.xsl」という名前のXSLTとリンクさせている訳です。

XSLTの実行

それでは、今度は「sample_pi.xml」をインターネットブラウザで開いて、XSLTを実行してみましょう。 下記の様に表示されるはずです。 xslt_1 XMLのソースのままではなく、それらしく表示されました。ここでは以下の様な処理が行われています。
  1. インターネットブラウザがXMLを読み込む
  2. XMLに記述されたXSLT(sample_pi.xsl)を実行して、XMLをHTMLに変換する。
  3. 変換後のHTMLをインターネットブラウザ上に描画する
XSLTが変換したHTMLをブラウザの画面上に表示している訳です。 「sample_pi.xml」をメモ帳で開いただけの素のXMLの表示に比べて、ずっと見やすくなりました。 このようにXSLTは、XMLの情報を、利用者が使いやすい様に表示するためのツールとして使われます。

まとめ

XSLTは、XMLを扱う事が出来るコンピューター言語。 利用者に合わせてXMLの情報をさまざまに変換する事が出来ます。 インターネットブラウザだけで実行可能。お手軽なXML変換ツールとして利用される。