投稿日:2016.12.26
更新日:2024.10.02
XMLについての記事は久々になってしまいました。
医療用医薬品添付文書の新記載要領に伴い、SGMLデータがXML形式に変更になる事になり、最近はXMLについてのお問い合わせも増えています。
今のうちにXMLに関連する基本的な情報については、理解しておきましょう。
今回はXSLTについて概要を解説します。
簡単なXSLTを実行してみて、どのような事が出来るのか実感してみましょう。
XSLTは、一言で言うとXMLを扱えるコンピューター言語のひとつです。
XMLをHTML等の別のデータ形式に、容易に変換する事が出来ます。
たとえば、本のタイトル、著者、価格等の情報を記述されているXMLがあったとします。これらの情報をどの様に表示するかは、XMLには記載しません。XMLは基本的に情報を保有しているだけだからです。
XSLTは、XMLから情報を取得して、見やすい、使いやすい見た目に整形するのが主な役割です。
XMLから取得した情報を基にHTMLを作成する事が多いです。
今回のサンプルもXMLをHTMLに変換するサンプルになります。
※基本的にwindowsPCで作業する事を前提に説明します。
XSLTを実行するのに、特別なものは必要ありません。
なぜならインターネットブラウザがXSLTに対応しているからです。
IEかFireFoxでご確認ください。
Chromeも表示は可能ですが、一部設定を変更する必要があるのでここでは非対象とさせていただきます。
まずはサンプルファイルをダウンロードしましょう。
zipファイルの中に下記の3ファイルが格納されています。
まずは、メモ帳で「sample_pi.xml」を開いてみましょう。
下記の様になっています。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<?xml-stylesheet type="text/xsl" href="sample_pi.xsl"?>
<PackageInsert xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:noNamespaceSchemaLocation="sample_pi.xsd">
<!--製品名-->
<Name>ヨクナール注</Name>
<!--改訂年月日-->
<RevisionDate>2016年12月改訂</RevisionDate>
<!--警告-->
<Warning>本剤の投与にあたっては,本剤の必要性を慎重に検討すること。</Warning>
<!--用法・用量-->
<Dosage>ヨクナル硫酸ナトリウムとして、通常成人1回20~50mgを1日1回静脈内又は筋肉内注射する。</Dosage>
<!--製造販売-->
<ManufactureAndSale>全国製薬株式会社</ManufactureAndSale>
</PackageInsert>
文章の量はかなり少ないですが、医療用医薬品添付文書を意識したXMLのサンプルです。
ポイントは2行目の記載になります。
この1行で「sample_pi.xsl」という名前のXSLTとリンクさせている訳です。
それでは、今度は「sample_pi.xml」をインターネットブラウザで開いて、XSLTを実行してみましょう。
下記の様に表示されるはずです。
XMLのソースのままではなく、それらしく表示されました。
ここでは以下の様な処理が行われています。
XSLTが変換したHTMLをブラウザの画面上に表示している訳です。
「sample_pi.xml」をメモ帳で開いただけの素のXMLの表示に比べて、ずっと見やすくなりました。
このようにXSLTは、XMLの情報を、利用者が使いやすい様に表示するためのツールとして使われます。
XSLTは、XMLを扱う事が出来るコンピューター言語。
利用者に合わせてXMLの情報をさまざまに変換する事が出来ます。
インターネットブラウザだけで実行可能。お手軽なXML変換ツールとして利用される。