投稿日:2024.09.18
更新日:2024.10.10
このたび当社ではオフセット印刷におけるCTPプレートにおいて「無処理版」を導入します。
これにより廃液がなくなり環境負荷の低減がはかれます。
来年からの全面導入を予定しております。
CTPプレートとはオフセット印刷機で印刷を行う際に必要とする薄いアルミ製の板のことです。
印刷内容をCTPという機械でこの板に焼き付けて印刷します。
これがいわゆる刷版とよばれる工程です。
このCTPプレートを各色分作成し、印刷機に巻き付けて、印刷します。
印刷のたびにCTPプレートを出力して使用します。
なお、使い終わったCTPプレートは集めてリサイクルにまわします。
ここでいう「処理」とは「現像処理」のことをいいます。
今までの版ではCTPプレートに印刷内容を焼き付けるために現像処理をおこなっておりました。
そうするとこの工程で現像液の廃液がでてきてしまいます。
この廃液は特別管理産業廃棄物として廃棄処理が必要なものです。
当社ではこれを濃縮させる設備を導入していましたが、それでも廃液をゼロにすることはできませんでした。
過去1年間の実績では 2,040kg の廃液がでておりました。
これを現像が不要な「無処理版」に切り替えると廃液をゼロにすることができます。
より環境負荷の低減がはかれます。
上の写真がCTPプレートに印刷内容を焼きつけるためのCTPとよばれる機械です。
写真左側からCTPプレートが入り、印刷内容を焼き付けて右側へ1枚ずつでてきます。
赤で囲んだ部分が「現像機」になります。
無処理版ではこの「現像機」をまるまるスキップすることができます。
こちらが現像廃液削減装置(濃縮廃液と蒸留水に分離、水は現像機で再利用)と最終的な廃液になります。
廃液は下水道では流してはダメなものなので、特別管理産業廃棄物として法に基づいた廃棄処理を行っております。
「無処理版」になりますとこちらの廃液自体が0になります。
過去、無処理版は耐刷性に劣る(=たくさんの量を刷ると版が傷みやすい)、版上の絵柄の視認性が劣る(=版取り違えのリスクあり) などいくつか問題がありました。
しかし、無処理版のバージョンがあがるにつれそういった問題も解消されました。
また印刷工程への影響ですが、当社内でも何度も試作を行い品質への影響がないことは確認済みです。
必要でしたら資料をご提出いたしますので担当営業にお申し付けください。
今後も環境負荷の低減につとめてまいります。