医薬品チームブログ
機材紹介

環境にやさしい無処理版を導入します

投稿日:2024.09.18

更新日:2024.09.18


無処理版の導入

 

このたび当社ではオフセット印刷におけるPS版において「無処理版」を導入します。
これにより廃液がなくなり環境負荷の低減がはかれます。
来年からの全面導入を予定しております。

 

 PS版とは?

PS版とはオフセット印刷機で印刷を行う際に必要とする薄いアルミ製の板のことです。
印刷内容をCTPという機械でこの板に焼き付けて印刷します。
これがいわゆる刷版とよばれる工程です。

このPS版を各色分作成し、印刷機に巻き付けて、印刷します。

印刷のたびにPS版を出力して使用します。
なお、使い終わったPS版は集めてリサイクルにまわします。

 

 無処理とは?

ここでいう「処理」とは「現像処理」のことをいいます。

 

今までの版ではPS版に印刷内容を焼き付けるために現像処理をおこなっておりました。
そうするとこの工程で現像液の廃液がでてきてしまいます。
この廃液は特別管理産業廃棄物として廃棄処理が必要なものです。

 

当社ではこれを濃縮させる設備を導入していましたが、それでも廃液をゼロにすることはできませんでした。
過去1年間の実績では 2,040kg の廃液がでておりました。

 

これを現像が不要な「無処理版」に切り替えると廃液をゼロにすることができます。
より環境負荷の低減がはかれます。

 

 現像工程とは?

上の写真がPS版に印刷内容をやきつけるためのCTPとよばれる機械です。
写真左側から刷版がはいり、右側に印刷内容を焼き付けた版が1枚ずつでてきます。

 

赤で囲んだ部分が「現像機」になります。
無処理版ではこの「現像機」をまるまるスキップすることができます。

 

こちらが現像廃液削減装置(濃縮廃液と蒸留水に分離、水は現像機で再利用)と最終的な廃液になります。
廃液は下水道では流してはダメなものなので、特別管理産業廃棄物として法に基づいた廃棄処理を行っております。

 

「無処理版」になりますとこちらの廃液自体が0になります。

 

 品質への影響は?

過去、無処理版は耐刷性に劣る(=たくさんの量を刷ると版が傷みやすい)、版上の絵柄の視認性が劣る(=版取り違えのリスクあり) などいくつか問題がありました。
しかし、無処理版のバージョンがあがるにつれそういった問題も解消されました。

 

また印刷工程への影響ですが、当社内でも何度も試作を行い品質への影響がないことは確認済みです
必要でしたら資料をご提出いたしますので担当営業にお申し付けください。

 

今後も環境負荷の低減につとめてまいります。