医薬品チームブログ
新記載要領

新記載要領の改訂記号の付し方について2

投稿日:2019.06.07

更新日:2022.10.25


前回に引き続き改訂記号の付し方についてご説明したいと思います。 前回は基本的な付し方についてご説明いたしましたが、今回は基本的なルールに当てはまらない項目や、仕様の関係上付される個所が限定される項目についてお話しいたします。 なお、前回(5/24)から今回(6/7)までの期間で「医療用医薬品添付文書情報XML作成ツール」が更新され、ver.1.0.7.0が公表されてます(5/31付け)。 改訂記号に関する修正が入っていますが、解説に影響しない範囲のため、前回に引き続きver.1.0.6.0を使用して説明していきたいと思います。

表について

項目ではありませんが、説明しておく必要があるため、先に説明させていただきます。 表における改訂記号は一般的な項目と異なり、表のセル内に改訂記号が付された上で、直近の項目番号の前にも合わせて付せられます。 下記画像1・画像2を見ると、セル内と直近の項目の両方に付されているのが確認できます。 ちなみに表のタイトルにはXML作成ツール上で改訂記号を付すことは出来ません。

画像1 XML作成ツールの編集画面(表)

画像2 HTMLプレビュー(表)

なお、表に関しての記述はSKWサイトの「XMLファイル作成に際しての補足資料」内に上がっている「改訂記号記載についての整理一覧」という資料にも記述されています。

「3. 組成・性状」

組成性状では「3. 組成・性状」「3.1 組成」「3.2 性状」以外の項目番号は登場しないため、改訂記号はこのいずれかに付される・・・と言いたいところなのですが、XML上ではそうとは限らないようです。 XML上の組成性状では下記画像3の様に、表のセル内に改訂記号が付された上で、上位の項目番号の前にも合わせて付せられます。 これは標準的な表と同じ挙動と言えます。

画像3 HTMLプレビュー(組成性状_1製剤)

しかしながら、販売名が複数ある場合、改訂記号は項目番号の前にある販売名の前に付されます。 XML作成ツール上では組成性状内の販売名は項目と同等の扱いのようです。(販売名が1つの場合は上位に包含されているので、販売名に付されない)

画像4 HTMLプレビュー(組成性状_2製剤)

「4.効能又は効果」と「6.用法及び容量」

※「医療用医薬品添付文書情報XML作成ツール」のver.1.0.8.0より、該当項目でも番号付きの項目が作成できる仕様に変更されておりました。(2022/01/25) XML作成ツール上では、この2項目内において番号付きの項目を作成することが出来ません。(「新記載要領に基づく改訂案」でも、基本的にこの2項目に対し、「4.1」といった2桁以上の項目番号は記述されていないと思います。) そのため項目番号が4.又は6.しか存在しないため、項目内のどこに改訂記号を設定したとしても、上位に集約されて「4.効能又は効果」と「6.用法及び容量」の前に改訂記号が付されます。

画像5 XML作成ツールの仕様

「10.1 併用禁忌」「10.2 併用注意」「11.2 その他の副作用」

これらの項目ではルールとして
表形式で記載する「10.1 併用禁忌」、「10.2 併用注意」及び「11.2 その他の副作用」においては、最左欄の事象名又は薬剤名の前に「*」又は「**」を付すこと。
と、通知にも書かれているように、10.と11.の表部に関しては表の最左欄に対し改訂記号を付記します。 また、改訂記号の付され方は標準的な表と同じく、表内に改訂記号が残ったまま、直近の項目番号前にも改訂記号が付されます。

画像6 XML作成ツールの編集画面(併用禁忌)

 画像7 HTMLプレビュー(併用禁忌)

「26.製造販売業者等」

文献1件ごとに「1)○○○」といった具合に番号が振られていますが、これは項目として扱われないようです。 そのため、各文献に改訂記号を振ったとしても、上位に集約されて「26.製造販売業者等」の脇にのみ付記されます。 下記画像では1)に今回改訂、2)に前回改定を付していますが、結果のHTMLプレビューでは「23. 主要文献」の前に集約され、3個の改訂記号が付されているのが確認できると思います。

 画像8 XML作成ツールの編集画面(主要文献)

 画像9 HTMLプレビュー(主要文献)

仕様上項目番号とされるのは「1.」~「1.1.1」までなので、「1)」に改訂記号が付されないのは当然なのですが、これは正直見づらいなと思います。

おまけ:改訂記号の数の決定について

前回書くべきだった内容。 XML上の改訂記号の数は前回改訂が「*」、今回改訂が「**」に固定されている訳ではありません。 XML作成ツールでは、改訂箇所を「今回改訂」又は「前回改訂」といった形式で文中に付与します。 そして、文書中に「今回改訂」又は「前回改訂」が存在するかを精査した上で付与か所の改訂記号の数が決定されています。

画像10 改訂記号数の決まり方

まとめ

改訂記号に関する説明は以上となります。 新記載の改訂記号周りの仕様は分かりづらいので、参考になれば幸いです。