投稿日:2015.11.02
更新日:2022.09.01
いわゆる「ノセ」とも言われる【オーバープリント】、そして透明効果としての【乗算】。
意味合いとしては似たような名前ですが、実はその内容は似て非なるものなのです。
いくつかのCase毎に、その違いを比較してみましょう。(OS X 10.8.5 Illustrator CS 5.1)
C50のオブジェクトの上にM50のオブジェクトを描き、M50のオブジェクトにそれぞれオーバープリントと乗算(不透明度100%)を適用してます。 結果は予想通り、重なった部分はそれぞれの色を足したC50M50となりました。
M30のオブジェクトの上にM50のオブジェクトを描き、M50のオブジェクトにそれぞれオーバープリントと乗算(不透明度100%)を適用してます。
……おや?乗算の様子が……?
M50にM30を足したらM80になりそうな気がしますが、結果はM65という中途半端な数字になりました。いったいどんな仕様なんでしょうか。
対してオーバープリント側は、効果が適用されずに、通常のノックアウト処理と同様の結果になっています。
Case.1、Case.2からの応用です。C30M50のオブジェクトにオーバープリント又は乗算(不透明度100%)を適用しています。
オーバープリント側・乗算側ともに、シアンとイエローはCase.1と同様、そしてマゼンタはCase.2と同様の処理を行い、それぞれを合算した数値になっています。もはやパズルですね。
ここまできたらやっちゃいましょう。Case.3を元にオーバープリントと乗算を同時に適用したらどうなるのか。好奇心は加速します。
さて結果は…。
C30。そうですね、今までの話だとそうなりますね。
M65。そうですね、不思議な数字ですがこれも今までの話からそうなりますね。
Y51。
( ゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚Д゚) …!?
どこから迷い込んで来たんでしょうか、「Y51」という子は。バグなのか仕様なのかはわかりませんが、これはちょっと危険な香りがします。何でもかんでもオーバープリントでー、乗算でー、なんてやってると予期せぬ結果になってしまいそうな…。
このように【オーバープリント】と【乗算】は異なる動きをしますので、求める結果に応じて使い分けることをオススメします。